今日は先日のインスタライブでご紹介した「おすすめのカリグラフィー関連書籍5つ」を紹介しようと思います。日頃から私がよく参照している教則本と応用本をピックアップします。
①カリグラフィー・ブック / 三戸美奈子
日本を代表するカリグラファー、三戸美奈子さん編著の本です。いつ読んでもウットリする美しい文字とその豊富な情報量。わたくしピカイチのおすすめ本。
書体の紹介や書き方といった基本から、作品作りなどの応用まで幅広く解説してあります。紹介されている書体もファウンデーショナル体、ローマンキャピタル、イタリック体、ゴシック体、カッパープレート体、平筆ローマンと種類が豊富。そしてただ書き方を解説してあるわけでなく、アルファベットの骨格やスペーシング、ウェイト、視覚的な文字の見え方など奥深いところまで詳述してあります。また本当に美しい文字ばかりなので、参考にしながら書くのもただただ読むだけでもとても面白い本。基本に立ち返る時はいつも参照しています。
②THE ART OF CALLIGRAPHY / DAVID HARRIS
カリグラファー、デイビット・ハリスさんによる教則本。全て英語の本ですが、『もっと知りたいカリグラフィー』という小田原真喜子さん監修の日本語訳の本もあります。
この本のいいところは、とってもたくさんの書体が掲載されていることと各書体の特徴と歴史が細かく書いてあること。ラスティック体、アンシャル体、カロリンジャン、ゴシック体、ヒューマニスト体、イタリック体、平筆ローマン、カッパープレート体etc...これほど多くの書体に詳しく触れている伝統的なカリグラフィーの本はあまりないと思います。また、掲載されている写本などの歴史資料が美しく、文字の背景・歴史好きな私にとってはたまらない一冊…!
原書も日本語訳本も絶版になっているようで、古本でも結構お高めのようです。図書館に置いてあるかもしれませんね。
③贈って喜ばれる素敵なカリグラフィー / 北見都
カリグラファーでありカード作家の北見都さんによる、カリグラフィーをペーパーアイテムに活かす提案をしている本。ウエディング、入学祝い、出産のお祝い、お誕生日などイベント毎に書いて&貰って楽しくなるようなカードの作り方とそれに合わせたカリグラフィーの書体が紹介されています。カリグラフィーの応用本という感じなので、カリグラフィーの書き方の解説は少なめですがいろんなカードを見ているだけでめっちゃ楽しいです!
私がこの本から学んでいるのは文字の雰囲気。「こういう雰囲気のカードにはこういう書体が似合うのか」とか「こういう風に書体をアレンジすれば、ベビーお祝いっぽくなるんだ!」とか。暮らしに応用させた文字の使い方が勉強になります。
④THE UNIVERSAL PENMAN / GEORGE BICKHAM
こちらは書き方解説の教則本ではなく、カッパープレート体が発達した17~18世紀当時に活躍した名筆ジョージ・ビッカムさんによるカッパープレート体の作品・見本集(洋書)です。当時は銅板(カッパープレート)に文字を彫って印刷しており、このお手本もビッカムさん本人が彫ったもの。カッパープレート体のフローリッシュがとっても美しく、フローリッシュを考えるときや勉強するときの参考にしています。
⑤ハンド・レタリングの教科書 / マルティナ・フロー著
こちらはカリグラフィーではなくハンドレタリングの本。カリグラフィーはペンで一筆一筆文字を書きますが、レタリングは鉛筆などで絵を描くように文字を作り上げていく作業です。マルティナさんは本の表紙などハンドレタリングから文字のグラフィックデザインをされているデザイナーさん。ハンドレタリングのやり方はもちろん、アイディア出しから手書きラフ、数回にわたるラフ直し、デジタルに起こすまでデザイン作業がそのまま掲載されておりマルティナさんの頭の中をのぞいている感じでとってもためになります。
また扱っているのは同じ文字なのでスペースやウエイトなどカリグラフィーとレタリングの両方に共通する問題や相互に勉強になることが詰まっています。カリグラフィーやレタリングを元にしたロゴデザインのときなどに参考にしています。
さて。私が参考にしているカリグラフィー関連本5冊をそれぞれ紹介しましたが、一つポイントなのは、「自分が憧れる文字」を書いている人の本をメインに参考にすることかなと思います。有名な本だから、情報量が多いからといった視点も良いと思いますが、最も重要なのは自分で見てみて「習得したい!」と思える文字、自分が見てうっとりするような文字が載っている本を選ぶこと。同じ書体でも人によって文字に個性が出てきます。なので、書き手の文字が好きかどうかで選ぶと、いつ見ても「いいなあ」っとうっとりできて楽しく学び続けられると思います。自分の感覚を大切にしましょう😃
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